部会長
松崎 一平 Matsuzaki Ippei
医療法人山下病院
博士(医学)、日本消化器内視鏡学会「内視鏡関連MSDs予防のための人間工学的対策研究会」代表世話人、認定人間工学準専門家、日本人間工学会第9期理事/普及委員会委員長
内視鏡治療を専門としている医師です。長時間立位での治療を多くこなし2018年頃に腰と手首を痛めてしまいました。どんなに医療技術が向上しても身体を壊してしまえば患者さんには提供できないことに気づかされました。幸運にも私は人間工学に出会い、人間工学的な働き方を学び、みずから実践することでMSDsを克服することができました。現在は内視鏡従事者だけでなく、医療従事者、医療機器メーカーの方に人間工学を啓発しています。
パーパスの実現には、医療従事者、研究者、企業様など様々な方々の知恵と協力が必要です。一緒に医療現場のMSDsを克服しましょう。
副部会長
鈴木 浩之 Suzuki Hiroyuki
株式会社アウトソーシングテクノロジー
博士(工学)、技術士(機械部門)、認定人間工学専門家
医療機器メーカー勤務の人間工学研究者です。2007年から約10年、超音波検査者のMSDs対策に取り組んできました。その成果のひとつは千葉大学人間工学研究室(下村義弘教授)様との共同研究による超音波画像診断装置の人間工学的改良による超音波検査者の身体負担低減です。 もうひとつは日本超音波医学会における「超音波検査者が安全・快適で健康的に働くための提言」発行(2012年)の推進です。現在は、MRI画像診断装置やCT装置の人間工学的研究に従事しています。
今回、生産者側の人間として副部会長の大役を 仰せつかりました。今後は部会長を補佐して、超音波検査者以外の医療従事者のMSDs低減に寄与できるよう邁進したいと考えております、
副部会長
川平 洋 Kawahira Hiroshi
自治医科大学メディカルシミュレーションセンター、博士(医学)
千葉大学医学部卒、消化器外科医です。2011年から千葉大学工学部フロンティア医工学センターで医工連携をはじめ、下村義弘先生に御指導頂き、2018年からは自治医科大学でシミュレーション教育等をしています。千葉大学の時のテーマは医療従事者の負担軽減(身体的、ストレス)、また診断の支援としてDeep Learningによる画像診断支援の研究もしてきました。アルケリスなど、発案者でありエンドユーザーとして、アイディアを出してみんなと具現化し、評価してきました。
外科医の暗黙知を明らかにして、ラーニングカーブを縮め、医療安全に寄与しないかと考えて活動を続けています。
副部会長
斎藤 真 Saito Shin
三重県立看護大学
博士(工学、医学)、認定人間工学専門家
日本大学生産工学部を卒業し大学院に進学しました。最初は自動車の人間工学を研究するつもりでしたが、VDTの研究をしました。名古屋大学でノート型PC使用時の作業姿勢に関して医学の学位、三重大学でマルチディスプレイの研究により工学の学位をとりました。看護と人間工学の研究もしております。
病院の中は看護師が多く、ものに身体をあわせてしまっている人達がほとんどです。男性看護師が増えて女性の高さ、設計に合わせざるを得ないなどひずみが出てきます。この会にも看護系の人たちが参加できるように、また若い人たちを活性化し、活躍してもらえるようにしたいと考えております。
世話人
浅田 晴之 Asada Haruyuki
株式会社オカムラワークデザイン研究所
一級建築士、認定人間工学専門家
「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する」をミッションに掲げ、オフィスから商業施設、病院、学校、そして物流施設まで、多様な場づくりを行っている企業に勤めています。私自身は、オフィス環境の構築に関わる、運用、評価に関する調査研究や、人間工学的な視点に立った製品の研究開発に関わってきました。
医師、看護師、検査技師をはじめとした医療に関わる人たちが、活き活きと、健康的に働ける環境づくりに役立つような情報が提供できるよう、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
世話人
榎原 毅 Ebara Takeshi
産業医科大学産業生態科学研究所人間工学研究室
博士(医学)、認定人間工学専門家
現職は産業医科大学産業生態科学研究所 教授。2005年3月名古屋市立大学大学院医学研究科満期退学、 IEA(国際人間工学連合)理事(2021-)、日本人間工学会副理事長(2016-2018)・理事(2012-)、人間工学誌編集委員会委員長(2020-)、国際標準化機構ISO/TC159(人間工学)国内対策委員会SC3分科会委員長(2012-)、Journal of Occupational Health: Ergonomics領域Field Editor(2016-2020)ほか。 専門分野:産業保健人間工学(筋骨格系疾患予防策)、ビッグデータを利用したライフログ解析の産業保健応用など
世話人
下村 義弘 Shimomura Yoshihiro
国立大学法人千葉大学デザイン・リサーチ・インスティテュート、博士(工学)、生理人類士1級
菊池安行先生と勝浦哲夫先生、岩永光一先生のご指導の下、2000年に千葉大学大学院自然科学研究科で博士(工学)を取得し助手を拝命、その後、2004年に命の恩人である千葉大学医学部泌尿器科の五十嵐辰男先生に千葉大学フロンティア医工学センターの兼務にお誘いいただき、2015年より教授を拝命しました。川平先生にご指導をいただき、医療従事者向けのウェアラブルデバイスの研究を精力的に進めております。富士フイルムヘルスケア鈴木浩之様との超音波診断装置に関する一連の研究では多くの知見を得ることができました。研究室の学生と共に、様々な会社様と人間工学を中心としたデザインの研究を進めております。
世話人
鈴木 一弥 Suzuki Kazuya
労働安全衛生総合研究所
博士(文学)
労働科学研究所(現在の大原記念労働科学研究所)に勤務させていただいた時には、医療、運輸、製造などの職場の作業負担・疲労等に関する現場調査を経験してきました。また、作業条件、機器等の改善による負担軽減効果を検証するための研究にいくつか携わらせていただきました。現在は労働安全衛生総合研究所に設置された過労死等防止調査研究センターに所属し、過労死対策の普及・定着に関わる「対策実装研究」チームで活動しています。
高度なスキルや多様な配慮を求められつつ現場で体を動かす医療従事者の目線、重い責任と多忙を負う現場の目線の理解に基づいた対策提案に少しでも貢献できればと思っています。
世話人
堀 寧 Hori Yasuki
名古屋市立大学大学院医学研究科、博士(医学)、認定人間工学準専門家、日本医師会認定産業医
透視下(レントゲンを使用した)内視鏡治療を専門にしている消化器内科医です。治療内視鏡は、細かな操作および長時間の姿勢拘束を要します。それに加え、レントゲンによる職業被ばくを最小限にするために7-8kgのプロテクター(鉛エプロン)を装着しながら処置を行います。医師人生も中盤になり、肩や腰の痛みを訴えている周囲の同業者が多いことに気づきました。少しでもそれを軽減できればと考え、人間工学の門を叩かせていただき現在に至ります。私たちの培った技術や経験を少しでも長く継承し、医療・患者さんに還元できればと考えています。この部会の素晴らしいメンバーと新たな提言ができましたら、この上ない幸せです。
世話人/事務局
常見 麻芙 Tsunemi Mafu
医療法人山下病院 サステナビリティ推進室、看護師・内視鏡技師・認定人間工学準専門家
看護師として、病院のみならず、施設やクリニック等で働いてきました。それぞれの働く環境・配置・使用する物品の違いなどで、腰痛や首・肩の痛みなど身体の負担を感じた経験もあります。これまで、内視鏡室にスツールを配置して立ち作業の環境下に座れる環境をつくるSit-stand workstation や、モーションキャプチャを用いたストレッチの効果検証に関する研究を行ってきました。
今ある環境が「当たり前」ではないと思っています。 人間工学のシステムズ・アプローチで、すべての医療従事者が快適に働ける環境づくりを様々な分野・職種・技術・知識を合わせて取り組んでいきたいと思います。